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海底3万マイル
脚本 岡本克巳
原作 石森章太郎
製作 大川博
出演者 野沢雅子
小鳩くるみ
海野かつを
人見明ほか
音楽 渡辺岳夫
主題歌 「海底3万マイル」(ザ・ココナッツ)
撮影 高梨洋一、山田順弘
製作会社 東映動画
配給 東映
公開 日本の旗1970年7月19日
上映時間 60分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
前作 ちびっ子レミと名犬カピ
次作 どうぶつ宝島
  

海底3万マイル』(かいていさんまんマイル)は、1970年7月19日公開の『東映まんがまつり』内で上映された、東映動画(現:東映アニメーション)製作の劇場用アニメ映画である。ワイド・フジカラー。60分。

概要編集

タイトルはジュール・ヴェルヌの『海底2万マイル』に酷似しているが、全く関係無く、『サイボーグ009』『サイボーグ009怪獣戦争』『空飛ぶゆうれい船』に続く石ノ森章太郎(当時:石森)原作の長編アニメ。だがそれまでの3作が完全な原作物だったのに対し、本作は石ノ森がこの映画のために書き下ろした物である。

本作が上映された時期は、前年の1969年7月20日アポロ11号が月面着陸し、宇宙への子供たちの夢は一段落した頃であった。そこで新たに「海の世界」をターゲットにした作品を製作する事になった。

内容は、主人公イサムが偶然から海底王国アトラスの王女エンジェルと知り合い、地上制覇を企む地底国と戦うといった設定で、前作『空飛ぶゆうれい船』より単純明快なアドベンチャー作品となっている。

なお石ノ森は、翌1971年に特撮番組『仮面ライダー』を成功させ、以後特撮番組に関る事が多くなり、劇場用新作アニメは1980年12月20日公開の『サイボーグ009 超銀河伝説』(第2作の劇場用新作)まで10年半中断する。

スタッフ編集

本作のスタッフには、企画に横山賢二、演出に田宮武といったテレビアニメ担当が、それぞれ初起用、劇場用とテレビアニメの融合を図っている。

最大の特徴は作画が4グループ有り、主人公と二枚目・悪役・魚類・怪獣と、それぞれ得意の分野で成り立っており、作画監督名はそれぞれの主任である奥山玲子喜多真佐武菊池貞雄金山通弘の名前から一文字ずつとった「奥多貞弘」名義となっている。

音楽は、同時期『巨人の星』『アタックNo.1』を担当していた渡辺岳夫が、東映動画作品に初参加。マーチ・タンゴを始め、後年『キューティーハニー』などで使われるスキャットも使用している。

キャスティング編集

主演は『空飛ぶゆうれい船』に引き続き野沢雅子、そして副主人公にしてヒロインのエンジェル役には、同時期『アタックNo.1』で鮎原こずえを演じている小鳩くるみが担当、この時期『アタックNo.1』は『東宝チャンピオンまつり』でも、『キングコング対ゴジラ』(再映)の同時上映として上映されており、「メインプログラムの副主人公」と「添え物の主人公」という取り合わせが面白い。

ギャグメーカーであるオクトパス役には、コメディアンの海野かつを1963年12月公開の『わんわん忠臣蔵』以来、7年振りに出演、そしてタトル役には、クレージー映画でお馴染みの人見明が担当、本作でも(オクトパスの台詞に対し)「バカ、俺が命令するんだ。」と、お馴染みの「バカ」という名台詞を言ったかと思えば、(海底王に報告する時)「辛い立場だなァ。」と、人見十八番キャラの「課長」を思わせる台詞を言っている。 テンプレート:ネタバレ

ストーリー編集

とある火山島に所在する海洋研究所、その所長にして海洋研究者を父に、助手を母に持つ少年イサムは、今日もペットのチーターと共に海底探索をした後、火山見物に出かける。そこでイサムは、真っ赤なレオタード状の衣装を着た美少女と知り合う。ところがその時、地震と共に火口から怪獣ロボットが現れた。「火焔竜!」と呟く少女。やがてその火焔竜はあちこちを攻撃する。だがそこへ、少女が呼び出した「シースルー号」というメカに助けられる。中から出て来たのはノッポとデブの2人。ノッポは「オクトパス」、デブは「タトル」と言い、少女の護衛役であった。そして美少女は「エンジェル」と言い、海底に所在する「海底王国アトラス」の王女だったのだ。かくてイサムとチーターは、シースルー号でアトラスに招待、そこで楽しい一時を過ごした。

その頃海底王は、オクトパスとタトルから火焔竜の事を聞き色をなす。そしてイサム達を呼ぶと、火焔竜の事を話した。元々アトラス人は地上に住んでいたが、やがて国王マグマI世が地上侵略を企み、火焔竜を引き出したが、暴走して国は壊滅、マグマI世一派は地底に、その他は海底に住む様となったのである。そしてイサムが見た火焔竜とは、マグマ一派の末裔・マグマVII世がロボットとして建造した物であったのだ。

やがて火焔竜を追ったイサム達は、地底国にたどり着くが、捕らえられて牢獄に閉じ込められる。だが何とか脱獄出来たイサム達は、マグマVII世が火焔竜を操るコントロールセンターへたどり着いた。その頃地底国は火焔竜で海底国を攻撃、海底国軍は迎撃するも大苦戦、だがイサムは警備隊が戦闘に出払ったのを機会に、マグマVII世を得意のサッカー攻撃で倒し、コントロールセンターのボタンを押す。すると火焔竜は地底国に引き返し、地底国を攻撃、地底国は火焔竜と共に壊滅した。海底に平和が戻ったのだ。そしてイサムとチーターは、シースルー号で地上へ帰っていった。だがその激戦を知る者は他には居ない…。 テンプレート:ネタバレ終了

登場キャラクター編集

イサムとその家族編集

イサム
本編の主人公。冒険とサッカーの好きな少年。偶然エンジェル達に出会った事から、チーターと共に海底での戦争に加わる。
イサムの父
海洋研究所の所長にして、著名な科学者。
イサムの母
所長(父)の助手。夫婦とも劇中では本名は語られてなかった。
チーター
イサムのペットにして弟分。イサムを助けて活躍する。

海底王国アトラス編集

太古の昔地上に住みながら、火焔竜の暴走によって壊滅した先住民族の平和主義者達が海底に逃れ、建造した国家。長期の海底生活によって、海底でも自由に呼吸が出来、更に深海の高水圧にも耐えられる肉体に進化した。

エンジェル
副主人公。アトラスの王女であり、火山見物に来ていた所をイサムと知り合う。美しいが大変気が強い。常に赤いレオタード状の衣装を身に着けている。
オクトパス
エンジェルの家来にして護衛役。長身で慌て者。
タトル
同じくエンジェルの家来にして護衛役。小柄でデブ。
海底王
アトラスの王にしてエンジェルの父。

地底国編集

地上に住んでいた先住民族の内、マグマI世の一派達が地底に逃れ建造した国家。マグマ一派によって、平和主義者の居ない完全な軍事国家となっている。科学力も地上人はおろか、アトラスよりも勝っている。

地底王マグマVII世
マグマI世の末裔にして、現在の地底国の国王。かつて先祖が出撃した火焔竜をロボットとして甦らせ、アトラスおよび地上制覇を目論んでいる。カブトムシ風の甲冑を常着。
地底兵士
マグマVII世の手先になって働く兵士。武器は剣やボーガン兼用の銃など。全員甲冑を着ているが、隊長クラスはクワガタムシ風。

メカニック編集

探査船
海洋研究所の船。後方には長いレール状が有り、海底探査時には垂直に曲がって、エレベーターのレールとなる。
シースルー号
エンジェル・オクトパス・タトルの乗る高速小型船。カタツムリの様な形状。イサムとチーターはこれに乗せてもらい、アトラスへと旅立った。
アトラス戦闘艇
シャコガイの形状をしている、海底王国アトラスの母艦。シャボン玉の様な小型艇を収納。
オケラ戦車
地底国の戦車。砲塔とドリルを装備。
火焔竜
その昔マグマI世が炎の湖から呼び出した同名怪獣を、現在の地底国が模して建造したロボット怪獣。武器は口からの火炎・火山弾・シッポの一撃など。

キャスト編集

スタッフ編集

  • 製作:大川博
  • 企画:山梨稔、茂呂清一、横山賢二
  • 原作:石ノ森章太郎(当時:石森)
  • 脚本:岡本克巳
  • 作画監督:奥多貞弘(奥山玲子+喜多真佐武+菊池貞雄+金山通弘
  • 美術:山崎誠
  • 原画:喜多真佐武、奥山玲子、菊池貞雄、金山通弘、小田克也、的場茂夫、森英樹、角田紘一、木野達児、池原昭治、阿部隆
  • 動画:生野徹太ほか多数
  • 演出助手:宮崎一哉笠井由勝
  • 色彩設定:内川文広
  • 背景:伊藤英治、伊藤岩光、海老沢一男、城戸求
  • トレース:植木知子、市村和子
  • 彩色:中村伸子、加々宮喜美代
  • ゼログラフィ:福岡秀起
  • 仕上検査:小椋正豊、森田博
  • 特殊効果:岡田良明、林富美江
  • 撮影:高梨洋一、山田順弘
  • 録音:波多野勲
  • 音響効果:大平紀義
  • 編集:花井正明
  • 制作進行:古沢義治
  • 記録:池田紀代子
  • 現像:東映化学
  • 音楽:渡辺岳夫
  • 演出:田宮武

主題歌・挿入歌 編集

  • 主題歌「海底3万マイル」
    • 作詞:岡本克巳/作編曲:渡辺岳夫/歌:ザ・ココナッツ
  • 挿入歌「大騒ぎのタンゴ」

漫画化 編集

上映に合わせて、『少年画報』(少年画報社刊)の14号 - 16号に、石ノ森章太郎および当時石森プロ所属の遠藤盛夫北川賢(現:桜多吾作)によって掲載された。なお『少年画報』は売れ行きの不振から、前年1969年より月2回刊行に変更した。

再放送 編集

映像ソフト化 編集

ビデオソフト・LD化はされたが絶版、現在はDVDが発売&レンタルされている(いずれも東映ビデオ製)。

同時上映 編集

参考文献 編集

  • 「日本アニメーション映画史」(有文社)304頁・305頁 1978年
  • 「ザ・石ノ森章太郎」(蝸牛社)243頁〜246頁・258頁

関連項目 編集

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