『仮面ライダー 8人ライダーVS銀河王』は、1980年(昭和55年)3月15日に、「東映まんがまつり」の一編として公開された中編映画。
概要[]
『仮面ライダーX』の劇場用新作『五人ライダー対キングダーク』以来、約6年ぶりの仮面ライダーシリーズ劇場版新作[1]。企画段階では単独の長編映画として進行していたが、諸事情により「東映まんがまつり」の中編作品として制作された。ドラマ部分の少ないアクション中心の作品であるが、原作者の石森章太郎が総監督をつとめ、アクションシーンや特撮シーンは規模の大きいものになっている。
主役のスカイライダーは、テレビシリーズ第28話以降のパワーアップした姿で登場している。
あらすじ[]
宇宙から襲来した機械生命体・銀河王は、水素を応用したΣエネルギーを研究中だった宇宙ステーション「天海」を襲撃した。研究の中心人物・羅門博士は、死の間際に愛犬エレンにΣエネルギーの方程式を記憶させ、地球へ脱出させる。エレンを追う銀河王は、ネオショッカーと手を組み地球での行動を開始した。スカイライダーは7人の仮面ライダーとともに富士山麓のネオショッカー大要塞で、銀河王・ネオショッカー連合軍と対決する。
登場人物[]
本作では洋と魔神提督以外、テレビシリーズのレギュラー陣は一切登場していない。
主要人物[]
- 筑波 洋 / スカイライダー
- 主人公。エレンを守るためにレミたちのもとへ駆けつけ、ネオショッカーと銀河王に立ち向かう。
- 筑波洋としての出番は少なく、変身後はスカイライダーとしてのみ活躍する。
- 羅門博士
- Σエネルギー開発の責任者で、宇宙ステーション「天海」での実験に成功するものの、直後に天海や、ほかの乗員ごと銀河王に狙われ、愛犬エレンに水素エネルギーの方程式を記録し、地球へ脱出させた後にアルマジーグに襲われ命を落とす。
- レミ
- 羅門博士の娘。
- 泉
- 羅門博士の助手。
- ブン
- 羅門博士の息子。泉に気があるお調子者の青年。父の死に悲しむ様子を見せず、ギターで父の思い出と愚痴を弾き語るなど奇行が目立つ。ストロンガーから電話で連絡を受けるが、彼が名乗らなかったため、「バカ」と罵声を浴びせた。洋とは友人同士。ギターで弾き語りしている最中に涙ぐむという一面もある。
歴代の仮面ライダー[]
中盤で怪人二世部隊に立ち向かうために登場。全員、素顔の出演はなく、変身後の姿のみ登場。
- 仮面ライダー1号
- ジャガーバンとアルマジーグを倒し、怪人二世部隊を撃退した。
- 仮面ライダー2号
- 格闘戦で怪人二世部隊を撃退した。
- 仮面ライダーV3
- 終盤で銀河王の基地が爆発する前にスカイライダーやレミたちを誘導した。
- ライダーマン
- パワーアームでアルマジーグたちと戦った。
- 仮面ライダーX
- 終盤でV3とともにスカイライダーたちを誘導した。
- 仮面ライダーアマゾン
- 他のメンバーに先駆け、ストロンガーとともにスカイライダーの応援に駆けつけた。
- 仮面ライダーストロンガー
- ネオショッカーと銀河王の結託の情報をブンに伝え、アマゾンとともにスカイライダーの応援に駆けつけて大戦車を撃退した。
ネオショッカー[]
- 魔神提督
- ネオショッカーの大幹部。銀河王を賛美しつつ、内心では軽蔑していた。富士山麓地下に基地を設ける。
- ジャガーバン
- 劇場版のオリジナル怪人。モチーフはジャガー。ジャガー剣と盾が武器。
- 怪人軍団の主戦力で、アルマジーグとユーモラスな会話も交わしていた。
- 1号のライダーキックで倒され、「天は我を見放した」と叫んで絶命した。
- アルマジーグ
- 劇場版のオリジナル怪人。モチーフはアルマジロ。
- 鋭い爪が武器で、背中を丸めて体当たりをするが、ジャガーバンに乗られた際、相性の悪さが垣間見られた。
- こちらも1号のライダーキックで倒された。
- 怪人二世部隊
- ジャガーバンに召集された過去のネオショッカー怪人と同型の怪人軍団。歴代ライダーとの戦闘で全滅した。
銀王軍[]
銀河王の率いた組織。本編中に名前は登場せずパンフレットでの紹介のみ。
- 銀河王
- 50年ごとに他の惑星を滅ぼしていくとされている機械生命体で、戦闘では手からの強力な衝撃波を使う。ライダーたちの活躍で立場が逆転したため、地球からの撤退を企んだが、スカイライダーに基地を破壊され宇宙船発射直後に爆風が引火し宇宙船は炎上。「残念、無念」の台詞とともに部下もろともミサイル発射口に落下し爆死した。
- 脱出中、自分の先を行く戦闘員を追い払うなどエゴイストな面も見られた。
- サドンダス
- 銀河王配下で、銀河王の軍の中における最強怪人。翼による飛行能力を持ち、姿を消しての攻撃が得意。スカイライダーの必殺技「パイルドロップ」によって致命傷を負わされるも、スカイライダーが基地脱出しようとしたその寸前に現れる。しかしそこで力尽き爆死。
- スペースクルー
- 銀河王配下の戦闘員で、宇宙服を来たような外見。
キャスト[]
- 筑波洋 / スカイライダー(声):村上弘明
- 羅門博士:二瓶秀雄
- 泉:舟倉たまき
- ブン:中村ブン
- レミ:塚原美樹
- 魔神提督:中庸助
- 天海乗組員:石森章太郎(特別出演)
- 福岡康祐
- 生江和夫
- 吉沢勝
- 山形政彦
- 内田修司
声の出演[]
- 仮面ライダー1号、マダラカジン2世:楠田竜平
- 仮面ライダー2号、仮面ライダーストロンガー、ネオショッカー基地アナウンス:島田敏
- 仮面ライダーV3、再生怪人:倉口佳三
- ライダーマン:永江智明
- 仮面ライダーX:河原崎洋夫
- 仮面ライダーアマゾン:林一夫
- 銀河王、怪人2世部隊:梶哲也
- サドンダス:沢りつお
- ジャガーバン、怪人2世部隊:八代駿
- アルマジーク、ムササベーダー(兄)II世:峰恵研
- ナレーター:中江真司
スーツアクター[]
- スカイライダー[2]:中屋敷鉄也
- 仮面ライダーV3[2]、ジャガーバン[3]:河原崎洋夫
- 仮面ライダーV3[2]:橋本春彦
- 仮面ライダーストロンガー[2]:赤坂順一
- 銀河王[3]:宮本竹蔵
- サドンダス[3]:上田弘司
- アルマジーグ[3]:石塚信之
- 天野正登
- 赤坂順一
- 今村均
- 山崎清
- 岩井潤一
- 山田茂
※いずれも大野剣友会
主題歌[]
- オープニングテーマ:「輝け! 8人ライダー」[4]
- 作詞:八手三郎
- 作曲:菊池俊輔
- 編曲:武市昌久
- 歌:ささきいさお、ザ・チャープス
- エンディングテーマ:「燃えろ! 仮面ライダー」[5]
- 作詞:石森章太郎
- 作曲・編曲:菊池俊輔
- 歌:水木一郎、こおろぎ'73
スタッフ[]
- 製作:渡邊亮徳
- プロデューサー:平山亨、阿部征司
- 連載:テレビマガジン、たのしい幼稚園、おともだち、テレビランド、冒険王
- 脚本:高久進
- 音楽:菊池俊輔
- 編曲:武市昌久
- 撮影:瀬尾脩、小林武治
- 照明:戸塚和夫
- 美術:丸山裕司
- 助監督:草間宏之
- 仕上製作:映広音響
- 録音:太田克己
- 編集:祖田冨美夫
- 効果:スワラプロ
- 選曲:茶畑三男
- 記録:安部伸子
- 撮影助手:松村文雄
- 照明助手:本田純一
- 装置:鈴木栄五郎
- 技斗:岡田勝
- 装飾:大晃商会
- 衣裳:東京衣裳
- 美粧:入江美粧
- 操車:スリーチェイス
- 怪人設定:榊精一郎
- キャラクター制作:コスモプロ
- 進行主任:川上正行
- 合成:デン・フィルム・エフェクト
- 現像:東映化学
- 協力:スズキ自動車
- ECG:東通ECGシステム
- 特撮:(株)特撮研究所
- 操演:鈴木昶 美術:大沢哲三 撮影:高橋政千 照明:日出明義 制作:中村英暉
- 特撮監督:矢島信男、佐川和夫
- 監督:平山公夫
- 原作・総監督:石森章太郎
映像ソフト化 []
- VHS(セル、レンタル)共通。
- LD(セルのみ)
- DVD:「仮面ライダー THE MOVIE BOX 1972-1988」(2003年12月5日発売)、単巻.VOL.3(2006年3月21日発売)
- BD:「仮面ライダー THE MOVIE Blu-ray BOX 1972-1988」(2011年5月21日発売)に収録。
備考[]
- 企画当初の作品タイトルは『9人ライダーVS大戦車軍団』であり、9号ライダーの登場が予定されていた[6]。
- 予告編でのタイトル表記は『8人ライダーVSギンガオー』。
- 本作で使用されたネオショッカー大戦車は、テレビシリーズ第27、28話にも登場している。
関連作品[]
- 『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦MEGA MAX』 - 本作に登場したサドンダスと銀河王がリメイクされて登場する。
- 『仮面ライダーフォーゼ 超バトルDVD 友情のロケットドリルステイツ』 - 『MOVIE大戦MEGA MAX』の続編。サドンダスを倒したフォーゼを狙う刺客としてサドンダスβが登場する。
脚注[]
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