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人造人間キカイダー』(じんぞうにんげんキカイダー)は、石森章太郎原作の特撮テレビ番組

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概要 編集

『人造人間キカイダー』は、空前の「変身ブーム」と特撮変身ヒーロードラマ『仮面ライダー』(毎日放送)の成功を背景に、同じ原作者・制作会社が『仮面ライダー』との差別化を図って、NETとともに世に送り出したテレビ作品である。

当初の作品タイトルとして「地獄からの逃亡者」、「人造人間レッドブルー」、「人造人間ゼロダイバー」などが挙げられた。

身体の青と赤はそれぞれ知性と血(パッション)の象徴として描かれていて、完成体は青一色になるという構想が石森の中にはあったらしい(角川書店社長・井上伸一郎談)。

この番組が放送を開始するテンプレート:和暦当時、土曜日の20時から21時の時間帯はTBSの『8時だョ!全員集合』が平均視聴率40パーセントを取り、同時間帯の王座に君臨していた。これに対抗するためにNET(日本教育テレビ)は20時からの1時間を『変身大会』と銘打ち、折からの「変身ブーム」に便乗した変身ヒーロー番組枠にして、子供たちの興味を引きつけようと、20時からの30分枠で「変身ヒーロー番組」を東映に発注。東映は『仮面ライダー』の実績から石森を原作者に招き、以前に没となった「地獄からの逃亡者」という企画に企画者側として平山亨吉川進が加わり推敲して『キカイダー』を完成させた[1]。なお『変身大会』後半の20時30分からの番組枠は、東映動画に発注され、『デビルマン』が放映された。

こうして始まった『キカイダー』は、東映の労働運動の関係から大泉の撮影所が使用不能になり第2話からは祖師谷の栄スタジオで撮影されるというハプニングがあったものの撮影は順調に行われた。初回視聴率は9パーセントだったが、第1クールを過ぎる頃には16パーセントにまで上昇。『8時だョ〜』という強力なお化け番組の裏としては高視聴率を獲得し、続編『キカイダー01』も製作、放映された。

「左右非対称のデザイン」や「中身が透ける部分があまりにも気持ち悪い」という批判も放映前から業界内にあり、共演者すらもあまり好ましく思っていなかったらしいが、原作・デザイン担当の石森は「自身のデザインワークの中でも1、2位を争う傑作だと自負している」とのちに述べている[2]。石森のアシスタントである早瀬マサトは、石森から「不完全だが完全」と聞かされている。

一方、同時に描かれた漫画の方の物語は、不完全な良心を持つ人形が人間になることをめざすイタリアの童話『ピノッキオの冒険』を下敷きにしており、不完全な良心回路を持つロボット(人造人間)が人間になる(近づく)ことをめざすSF作品となっている。

当初メインライターは伊上勝が務め、番組フォーマットを敷いた。本作に登場する、煮ても焼いても食えない「ハンペン」(私立探偵の服部半平)のキャラクター像は、伊上の造形によるところが大きい。伊上は第25話を最後に、新番組『仮面ライダーV3』の準備のため本作から降板[3]。以降はサブライターとして参加していた長坂秀佳がメインライターとなった。長坂いわく「乗っとった」とのこと。

また、作中の脚本を1篇、東映本社専務だった渡邊亮徳が執筆したことでも話題となった。前述したように、キカイダーのデザインに対し、第1話からNETに抗議の電話が殺到、業界内からも批判が相次いだこと[4] 、また放映時間枠が夜8時台とのこともあり、「お色気要素も含んだ怪しさが、内外から批判を浴びた」(吉川プロデューサー談)こともあって、「それなら俺が脚本を書いてやる」と渡邊自らがペンを執ってみせたとのこと[5]

内容 編集

「不完全な良心回路を持ち、善と悪の狭間で苦悩する人造人間の戦い」というテーマは漫画版と共通しているが、漫画版がイチロー(キカイダー01)が登場した後もジロー(キカイダー)を主人公として展開し、さらに作者の個性により終盤にて「敵となった兄弟と殺しあうアンドロイドの悲劇」を描いた展開となったのに比べ、TV版はヒーロー番組のスタンダードである一話完結で「悪の組織ダークの送り込む怪物ロボットに立ち向かう正義の人造人間キカイダーの活躍」という基本線を最後まで貫き、主人公がイチロー(キカイダー01)に交代した続編『キカイダー01』につないだ。ただし、サブライターとして参加していた長坂秀佳の個性もあり、原作の特色は十分に生かされ、特に彼がメインライターとなった第27話以降では単なる勧善懲悪ものでは終わらない「正義と悪の狭間で苦悩する人造人間」というテーマをさらに突き詰めた展開が描かれている。

人造人間のジロー=キカイダーと、ミツ子・マサルの姉弟、そしてハンペンが行方不明になった光明寺博士を探す旅を続ける。ジローと姉弟、ハンペンは、必ずしも同行しているわけではなく、別行動を取ることも多い。悪の組織ダークのロボット(等身大)とキカイダーが戦う姿、ジローとミツ子の恋、そして父と子供たち(姉弟)の行き違いなども盛り込まれている。

そのラストは、ようやく父・光明寺博士と再会を果たしたミツ子とマサルの姉妹がその父とともに日本を離れることになり、ミツ子はジローも一緒に行くと思い期待を寄せていたが、ジローは一人日本に残ってどこへともなく去ってしまい、それを知ったミツ子が大いに悲しむという悲劇的な終わり方である。

ハワイでの人気 編集

『人造人間キカイダー』、『キカイダー01』ともにハワイでも放映され、初放映から40年近く経過した現在でも大変な人気を持つ。

1973年の初放映時は日本語版に字幕のみの放映で大ヒットし、初オンエアの次の日にはいつの間に広まったのかディスコにおいて主題歌「ゴーゴー・キカイダー」が流れていたという。「国境を越えるハートのある素晴しい作品なんだ」と主役を演じた伴大介は現地に行って感じたその感慨を語っている。さらに、伴の歌う挿入歌「春くれば」がハワイの音楽チャートを席巻し、その後伴はハワイの「名誉市民」の称号を得た。

今世紀に入ってからもキカイダーはハワイで2001年11月からKIKU-TVで毎週土曜日の19:00(現地時間)から再放送され、新しいファンを生み出している。この現象は「GENERATION KIKAIDA(ジェネレーション・キカイダー)」と呼ばれ、世代を超えた多くの人々がキカイダーのファンとして存在している。近年においても『キカイダー』を演じた伴大介と『01』を演じた池田駿介がさまざまなイベントでハワイに招かれており、伴は現在でも当時のジローの衣装を着てステージに立ち続け、池田も晩年までやはりイチローの衣装で出演していた。

近年のハワイでのプロモーションに積極的に関与しているのは、英語版キカイダーソフトの配布元JNプロダクションであり、とりわけプロダクションの代表である日系人Joanne Ninomiyaである。Ninomiyaは、英語版ソフト内で伴大介と池田駿介に日本語でインタビューを行なっており、70年代にハワイでキカイダーシリーズを視聴して影響を受けた子供たちが道徳的によく育ったことを評価し、またその子供たちの世代がキカイダーを視聴して成長することの社会的な意義を強調している。

2002年4月12日にはハワイ州知事によって4月12日が「ジェネレーション・キカイダー・デイ」に制定され、2007年5月19日にはマウイ島市長によって5月19日が「キカイダー・ブラザーズ・デイ」に制定されるなど大きな話題となった。

登場キャラクター 編集

キカイダー 編集

詳細はキカイダーを参照

本作の主人公で、犯罪組織ダークに拉致された光明寺博士が、ダークを倒すため密かに造った人造人間。人間の姿の時の名前はジロー。

ジロー(演:伴大介)
キカイダーの人間態であり、ギターを持つ青年。ジローの名は光明寺博士の亡くなった長男であるタローに由来し[6]、姿もタローをモデルにしている。「良心回路」が不完全であり、プロフェッサー・ギルの笛の音が鳴ると、良心と指令の板ばさみになり苦しみ出す。笛の音に耐え切れずギルに操られてしまったことがある(36話と37話では、光明寺博士の拉致に加担してしまった)。しかもジローは「完全な機械にはなりたくない」という思いから、「良心回路」が完全なものになることを望んでいない。
キカイダー(声:伴大介スーツアクター菊地敏昭
ジローが両肩のスイッチをONにして戦闘モードにチェンジした姿。左右でデザインとカラーリングが異なり、一部はスケルトン仕様になっている。その姿は良心回路が不完全であるために生じるものとされている。戦闘能力はダーク破壊部隊のアンドロイドを凌駕している。
キカイダーの姿では良心回路が完全に作動しているため、ギルの悪魔の笛は基本的に通用しない[7]
電子頭脳には自身の設計図も記録されており、簡単な修理ならば自分で行なえる。アカ地雷ガマに身体を四散された際は、ミツ子に自身の配線を指示し元の姿に組み立て直した。

ハカイダー 編集

詳細はハカイダーを参照

ハカイダー(37話から登場。声:飯塚昭三※OPクレジットなし スーツアクター益田哲夫三島一夫
ダークがキカイダー打倒のために光明寺博士をマインドコントロールして造ったダーク最強のサイボーグロボット。全身黒ずくめで、随所に黄色い稲妻の意匠がある。対キカイダー対策も兼ね、頭部に光明寺博士の脳を移植し回路の1つとしていて、この光明寺博士の脳がキカイダーを牽制するための盾になっているが、その脳が一定時間内に血液交換をしないと死んでしまい、戦闘力が激減するという弱点にもなっていた。良心回路と正反対の機能を持つ悪魔回路を内蔵しており、キカイダーを凌駕する戦闘力を誇る。キカイダー打倒のためにはいかなる手段も選ばず、自分の目的を妨害するダークロボットを攻撃したり父を殺したと誤解したマサルを利用したりしたが、その一方で卑怯なやり方を嫌う。
サブロー(演:真山譲次
38話から登場。ハカイダーの人間態。黒のライダースーツに身を包み、黄色いマフラーを着用している。頭にゴーグルを乗せているが、当初はサングラスを装着する予定だったのが、ヘルメットを被ってゴーグルを装着することになり、さらに最終的にゴーグルを乗せるということになった。
口笛を吹きながら現れてジローの弟を名乗り、ジローを疑うマサルを利用してジローを追い詰める。彼がマサルに渡したデスホイッスルは、サブローを呼ぶための笛であるほか、あらゆる機械の機能を停止させる特殊光線を発射可能。

キカイダーの協力者 編集

光明寺博士(演:伊豆肇
本名、光明寺信彦。ロボット工学の世界的権威。ジローをはじめ、多くの人造人間を作った。
ダーク基地からの脱出した際に記憶を失い、ホットドッグ屋、タクシードライバー、警備員など次々に職業を変えながら全国各地を放浪する。記憶喪失となりながらもロボット工学者としての記憶と技術は潜在的に残っており、旅の中で出会った漁師の家のテレビを修理し、電気屋であっただろうと言われたこともある。負傷して気を失っているジローに遭遇し、近くに放置されていたダークロボットの腕を移植して応急修理したこともある(その善意が裏目に出る結果となったがミツ子によって対処された)。ドラマの終盤では脳をハカイダーに移植され、残った身体がダーク基地に保存された状態にあったが、ミツ子の手術によって元の身体に戻り同時に記憶も回復した。
光明寺ミツ子(演:水の江じゅん)
光明寺博士の娘。ダークでは父の助手としてアンドロイド開発にも携わっており、その経験から故障したジローを修理する技術を持つ(ただし、彼女の手に余る場合もある)。当初はジローをさして意識していなかったが、やがて激しい恋愛感情を持つようになり、ジローが優しくした女性に嫉妬したり、(敵の目を欺くために)ジローと結婚式を挙げようとしたりした。
光明寺マサル(演:神谷政浩
ミツ子の弟。姉とともに父の行方を捜す。ジローを兄のように慕っている。
ジローに疑念を持っていた頃(39話)、サブローにデスホイッスルを渡される。ジローが狂ったと思い、警察に引き渡そうとしたが「僕をバラバラにするがいい、君にまでに疑われて生きていたくはない」というジローの悲痛な訴えを聞き、ジローを信じることにした。
服部半平(演:植田峻
伊賀忍者服部半蔵の子孫を自称する私立探偵。ミツ子・マサルの姉弟を助ける。忍者としての実力は低く臆病そうにも見えるが、意外な活躍や行動力を見せ、キカイダーの危機を救うことも多い。一人称は「吾輩」でジローのことは「ミスター・ジロー」と呼ぶ。通称「ハンペン」
初期は金のためなら裏切ることもあった。中盤以降はジローや光明寺姉弟の危機に身を挺して協力したり、最終回では囮を務めるなど、かなり役に立つ存在になっていたが、反面、事態をややこしくする場合も多かった。愛車はスバル360。当初はミツ子に好意を抱いていた。

ダーク 編集

世界各国に武器や兵器を販売する「死の商人」の組織。アンドロイドも商品の一つとして作られ、各国に売られている。しかしそれらの活動は資金調達のための手段でしかなく、真の目的は世界征服であった。人類を憎悪する首領ギルの命令の下、大規模なテロや殺人を行う傍ら、組織から逃走した光明寺博士の行方を追う。

プロフェッサー・ギル編集

ダークを率いるロボット工学者。演じるのは東映の悪役俳優、安藤三男。安藤は「ギルは常に地下に潜んでいるから、顔色も悪いはずだ」と、青白いメイクを行い、さらに青い照明によって鬼気迫る表情でこれを演じている。

痩身蓬髪の怪人物で、杖に内蔵した悪魔笛でアンドロイドを凶暴化させ、支配する。冷酷な男で、裏切り者や失敗した者には容赦しない。戦いの激化とともに狂気の域に踏み込んでいき、最終話でキカイダーに追い詰められたギルは基地とともに自爆した。平山プロデューサーの著作によると、「本名はアレクサンドル・ポマレンコ、マサチューセッツ工科大学で光明寺とは同期であり、恋敵でもあった」とされるが、これは劇中での設定ではない。

番組開始前の雑誌撮影会では、安藤ではない別人がギルに扮している。当時発売された主題歌レコードのスチールなどには、この別人のギルの写真が使われていた。

ダーク破壊部隊編集

ダークによって作られた動物型のアンドロイドたち。光明寺博士によって13体が作られたが(一部、本編には登場しなかった名前のアンドロイドがいる)全てキカイダーに倒された。それぞれの最期のシーンでは、爆発の後に残骸が地面に散乱する描写が多い(撮影に使用されたのはテレビの残骸など)。第14話からギル自ら製作した新破壊部隊が結成された。人間態を持つ者や人間に憑依する能力を持つ者もいる。

アンドロイドマン
ダークの戦闘員。なぎなたを武器として、大群で襲い掛かる。人間に変装することも可能。汎用型、女性型(二種類)など五つのタイプが存在する。
掛け声は最初期のみ「ダーク!」、後に「ギル!」へと変更。

その他の登場キャラクター 編集

甚兵衛
光明寺博士が作ったロボット。ある数式のデータを内蔵しており、横浜ドリームランドで働いていたが、データをピンクタイガーに狙われ、拷問を受ける。
光明寺タロー
環境警備隊員だったミツコ・マサルの兄で、すでに死亡している。ジローはこのタローをモデルに作られた。
ナレーター 岡部政明

主なゲスト出演者 編集

(参考資料=1995年講談社刊『変身ヒーロー大全集』、2002年双葉社刊『キカイダー大全』、2003年ミリオン出版刊『人造人間キカイダー 超人バロム・1 変身忍者 嵐 3大テレビヒーローシークレットファイル』)

  • 石神博士:有馬昌彦(2話)
  • 道夫(灯台守):山口暁(3話)
  • 洋太:五島義秀(3話)
  • 十河幸子:富山真沙子(4話)
  • 十河ヒカリ:斉藤浩子(4話)
  • イエロージャガーの人間態:穂積隆信(5話)
  • 稲葉徹夫:長沢大(7話)
  • 稲葉史郎:佐久田修(7話)
  • 研一:田村円(8話)
  • 雪村アキ子(「ぐみの木学園」教師):藤山律子(8話)
  • 洋一:五島義秀(9話)
  • 中堀博士:山本廉(10話)
  • 中堀カズコ:遠藤薫(10話)
  • ゴールドウルフの人間態:坂口徹(11話)
  • 甚兵衛:多々良純(13話)
  • 光明寺タロー(キンイロコウモリの人間態):林ゆたか(15話)
  • 川辺ミキ:松谷紀代子(16話)
  • 和田浩平(ボート屋):太宰久雄(16話)
  • 大山委員長(公害対策委員会首脳):徳大寺伸(17話)
  • 市村隊長:北原義郎(18話)
  • 三森令子:松沢のの(19話)
  • 畑中正夫:染谷利貴(22話)
  • 畑中伸子:松木路子(22話)
  • 医師(シロノコギリザメの人間態):陶隆(22話)
  • 加東(横江川)亜矢子:菊容子(23話)
  • 神父(キイロアリジゴクの人間態):植村謙二郎(23話)
  • 謎の女(モモイロアルマジロの人間態):司美智子(24話)
  • 八木医師:二瓶秀雄(24話)
  • ダーク対策委員会委員長(アンドロイドマン):青野平義(25話)
  • 荒木博士:小山源喜(27話)
  • バイオレットサザエの人間態:進千賀子(27話)
  • 荒木タエ子:高毬子(28話)
  • カイメングリーンの人間態:潮健児(28・29話)
  • カオル:斉藤浩子(29話)
  • 島村ちどり(城南大学学生):松木聖(30話)
  • 塚原茂:轟謙二(31・32話)
  • 塚原和子:遠藤薫(31・32話)
  • 桃山カズコ:森秋子(34話)
  • ブラックハリモグラの人間態:平松慎吾(34話)
  • 熊野刑事:大前均(36 - 38・43話)
  • マリ(カメラマン):小田まり(36 - 38話)
  • ダークの研究員:秋元羊介(36・38話)
  • 警官A:ポール牧(コント・ラッキー7)(39話)
  • 警官B:関武志(コント・ラッキー7)(39話)
  • 三笠洋一:佐藤一臣(40話)

劇場版 編集

飛び出す人造人間キカイダー(1973年3月17日公開)
脚本:長坂秀佳 監督:北村秀敏
登場アンドロイド・マダラスナトカゲ(声:増岡弘)、新生ダーク破壊部隊
東映まんがまつりの一編として上映。

一部がアナグリフ式と呼ばれる特殊な方式で撮影されたパート立体映画で、映画館に入場の時に赤・青のフィルター(劇場公開時は厚紙で作られたメガネで、右目・青、左目・赤のセロハンを貼ったもの)を手渡され、作品中のジローの合図でそのメガネを通して見ることで立体効果が得られるような仕様となっている。なお、映画館の退出時にメガネは回収された。

TVヒーロー立体映画が制作されたのは、1969年7月20日公開の『飛び出す冒険映画 赤影』以来4年振りだが、『赤影』は一部テレビ放送版を流用しているため、完全新作は初である。

『人造人間キカイダー DVD-BOX』のボーナスディスクや、2007年12月7日に発売された『東映特撮ヒーロー THE MOVIE BOX』に収録されている。単品売りのDVDには収録されていない。

なお後年、東映チャンネルで放送した時には、冒頭に断り書きを付け、立体部分はモノクロ処理されて放送した。

放送時期など 編集

スタッフ 編集

  • 原作:石森章太郎
  • 脚本:伊上勝長坂秀佳押川国秋、島津昇弐、島田真之、春日憲政、多村映美、渡辺亮徳
  • 音楽:渡辺宙明
  • 演奏:スクリーン・ミュージック
  • スーツアクター:菊地敏昭(キカイダー)、速水鴻、三橋幸男(ダークロボット)
  • スタントマン:金田治(第18話まで)、高橋健二(第19話以降)、榎本武士、渡辺千代太、中井宏
  • オートバイスタントマン:室町健三
  • 技斗:三島一夫(三島剣技会)
  • 企画:平山亨吉川進
  • 撮影:猪熊雅太郎、相原義晴
  • 照明:石垣敏雄、加藤宏明
  • 録音:長井幹夫、広田悟
  • 美術:井上明、春木章、安野俊夫、平高主計
  • 編集:伊吹勝雄、真島純二、広島正和
  • 記録:近藤和子、高橋扶佐緒
  • 特殊効果:日高秀行
  • 助監督:徳井一行、長谷川洋、島恵一、安室修、辻理、服部和史、稲垣信明、青木弘司坂本太郎
  • 計測:内田正司
  • 進行主任:奈良場繁、佐藤敬一、長尾茂久、江成健
  • 特撮:特撮研究所
    • 特撮監督(ノンクレジット):矢島信男
    • 操演(ノンクレジット):鈴木昶
  • オートバイ製作:カワサキオート販売
  • 衣裳:大和衣裳
  • 装置:紀和美建、宮崎工務店
  • 家具:村内ホームセンター
  • 現像:東映化学工業
  • 制作担当:春日憲政、奈良場繁
  • 造形(ノンクレジット):開米プロダクション、ツエニー[8]
  • 監督:北村秀敏、永野靖忠、畠山豊彦
  • NETプロデューサー:宮崎慎一
  • 制作 NET 東映

音楽 編集

歌・BGMともに、全て渡辺宙明が作曲・編曲した。プロフェッサー・ギルの笛の音は当時の日本では珍しかったシンセサイザーで作られた。BGMは『五番目の刑事』からの流用もあったが、本作のBGMも『イナズマン』や『スーパー戦隊シリーズ』などに流用された。

主題歌のシングルレコードは16万枚を売り上げた[9]

主題歌・挿入歌LPの発売が本作の放送終了に間に合わなかったため、本作の挿入歌は全て次作『キカイダー01』の主題歌・挿入歌LPなどに収録された。

主題歌 編集

オープニングテーマ
  • ゴーゴー・キカイダー
作詞 石森章太郎 / 作曲・編曲 渡辺宙明 / 歌 秀夕木コロムビアゆりかご会
子門真人によるカバー版(コーラスはヤング・フレッシュ)も存在する。
エンディングテーマ
  • 戦え!!人造人間キカイダー
作詞 八手三郎 / 作曲・編曲 渡辺宙明 / 歌 秀夕木、コロムビアゆりかご会

挿入歌・イメージソング 編集

『キカイダー01』の14曲入りLPレコードに収録された曲
(本作のOPとEDおよび『キカイダー01』のOPとEDとともに収録)
  • ハカイダーの歌
作詞 石森章太郎 / 作曲・編曲 渡辺宙明 / 歌 水木一郎
2番の歌詞に「俺の兄貴、俺の父親」、3番の歌詞に「右手のガンに炎が走る」という間違いがある。
  • キカイダーは行く
作詞 田中守、丘灯至夫 / 作曲・編曲 渡辺宙明 / 歌 子門真人、コロムビアゆりかご会
  • ギル博士の歌
作詞 島津昇弌、丘灯至夫 / 作曲・編曲 渡辺宙明 / 歌 ザ・スウィンガーズ
  • どこへ行くのか
作詞 丘灯至夫 / 作曲・編曲 渡辺宙明 / 歌 子門真人、ザ・スウィンガーズ
  • キカイダー数え歌
作詞 島田真之、丘灯至夫 / 作曲・編曲 渡辺宙明 / 歌 子門真人、コロムビアゆりかご会
  • 悪魔が今日も笛を吹く
作詞 丘灯至夫 / 作曲・編曲 渡辺宙明 / 歌 子門真人、コロムビアゆりかご会
  • 誰かがうしろで
作詞 石森章太郎、丘灯至夫 / 作曲・編曲 渡辺宙明 / 歌 子門真人、コロムビアゆりかご会
  • 三郎のテーマ
作詞 石森章太郎 / 作曲・編曲 渡辺宙明 / 歌 水木一郎
イントロは「三郎の口笛」として使用された。
  • ダークロック
作詞 伊上勝、丘灯至夫 / 作曲・編曲 渡辺宙明 / 歌 ザ・スウィンガーズ
ダーク基地のBGMのメロディーが前奏に使われている。
  • 春くれば
作詞 丘灯至夫 / 作曲・編曲 渡辺宙明 / 歌 伴大介
上記のハワイでの人気を参照。
『キカイダー01』の4曲入りEPレコードに収録された曲
(『キカイダー01』のOPとEDとともに収録)
  • ぼくらのキカイダー
作詞 大船進、丘灯至夫 / 作曲・編曲 渡辺宙明 / 歌 コロムビアゆりかご会
本作よりも次作『キカイダー01』でよく使われた。『キカイダー01#音楽』も参照。
  • キカイダー子守歌
作詞 長坂秀佳、丘灯至夫 / 作曲・編曲 渡辺宙明 / 歌 子門真人

放送リスト 編集

放送日話数サブタイトル登場アンドロイド脚本監督
1972年7月8日1恐怖のグレイサイキングは地獄の使者 グレイサイキング(声:田中康郎伊上勝 北村秀敏
7月15日2怪奇 グリーンマンティスは殺人鬼 グリーンマンティス(声:大宮悌二畠山豊彦
7月29日3呪い オレンジアントの死の挑戦 オレンジアント(声:増岡弘北村秀敏
8月5日4悪魔のブルーバッファローが罠をはる ブルーバッファロー(声:田中康郎)
8月12日5イエロージャガーの魔の手が迫る イエロージャガー(声:依田英助、人間態:穂積隆信長坂秀佳 畠山豊彦
8月19日6ブラックホースが死刑場でまつ[10] ブラックホース(声:島田彰伊上勝
8月26日7怪物ブルスコングが大暴れ ブルスコング(声:大宮悌二) 北村秀敏
9月2日8カーマインスパイダーが無気味に笑う カーマインスパイダー(声:勝田久長坂秀佳
9月9日9断末魔! 妖鳥レッドコンドル レッドコンドル(声:和久井節緒畠山豊彦
9月16日10サソリブラウン 人間爆発に狂う[11] サソリブラウン(声:大宮悌二) 押川国秋
9月23日11ゴールドウルフが地獄に吠える ゴールドウルフ(声:増岡弘、人間態:坂口徹長坂秀佳 北村秀敏
9月30日12残酷魔女シルバーキャット シルバーキャット(声:今西正男、人間態:水上竜子) 島津昇弌
10月7日13ピンクタイガーの遊園地襲撃 ピンクタイガー(声:大宮悌二) 畠山豊彦
10月14日14大魔神ギンガメが三怪物を呼ぶ ギンガメ(声:和久井節緒)
再生ダーク破壊部隊13人衆
長坂秀佳
10月21日15キンイロコウモリ呪いの陰 キンイロコウモリ(声:増岡弘、人間態:林ゆたか伊上勝 北村秀敏
10月28日16女ベニクラゲが三途の川へ招く 女ベニクラゲ(声:京田尚子長坂秀佳
11月4日17アカクマバチ恐怖の人質計画 アカクマバチ(声:里見たかし島津昇弌 永野靖忠
11月11日18クロカメレオン幻の大強奪作戦 クロカメレオン(声:増岡弘、人間態:北原義郎渡邊亮徳
11月18日19死神獣カブトガニエンジ参上! カブトガニエンジ(声:依田英助、人間態:エディ アラブ) 長坂秀佳 畠山豊彦
11月25日20冷酷アオタガメのドクロ計画!! アオタガメ(声:和久井節緒)
12月2日21残虐! ムラサキネズミの毒牙 ムラサキネズミ(声:神山卓三北村秀敏
12月9日22シロノコギリザメ悪夢の12時間 シロノコギリザメ(声:上田耕一、人間態:陶隆島田真之
12月16日23キイロアリジゴク三兄弟見参! キイロアリジゴク三兄弟(声:和久井節緒ほか、人間態:植村謙二郎長坂秀佳 永野靖忠
12月23日24魔性の女?? モモイロアルマジロ モモイロアルマジロ(声:坂井すみ江、人間態:司美智子) 島津昇弌
12月30日25ダイダイカタツムリ殺しの口笛 ダイダイカタツムリ(声:里見たかし)
再生アンドロイド部隊(クロカメレオン、ピンクタイガー、ゴールドウルフ)
ミドリマンモス(声:増岡弘)
伊上勝 畠山豊彦
1973年1月6日26ミドリマンモス地球冷凍作戦!! ミドリマンモス 春日憲政
1月13日27バイオレットサザエの悪魔の恋 バイオレットサザエ(声:京田尚子、人間態:進千賀子
アカオニオコゼ(声:青森伸
カイメングリーン(声:大宮悌二、人間態:潮健児
長坂秀佳 北村秀敏
1月20日28赤子を泣かすアカオニオコゼ! アカオニオコゼ
カイメングリーン
1月27日29カイメングリーンは三度甦える カイメングリーン 永野靖忠
2月3日30アカネイカ美人女子大生を狙う アカネイカ(声:増岡弘)
2月10日31ジローの死を呼ぶタコヤマブキ タコヤマブキ(声:清川元夢
アオデンキウナギ(声:丸山詠二、人間態:轟謙二
畠山豊彦
2月17日32アオデンキウナギ魔の腕が光る アオデンキウナギ
2月24日33兇悪キメンガニレッド呪いの掟 キメンガニレッド(声:大宮悌二)
再生カブトガニエンジ(声:丸山詠二)
多村映美 永野靖忠
3月3日34子連れ怪物ブラックハリモグラ ブラックハリモグラ(声:増岡弘、人間態:平松慎吾
子ハリモグラ(声:斉藤浩子
島田真之
3月10日35ジローデンジエンドの最期![12] クロガラス(声:渡部猛長坂秀佳 北村秀敏
3月17日36狂ったジローが光明寺をおそう クワガタブルー(声:増岡弘)
ヒトデムラサキ(声:和久井節緒)
畠山豊彦
3月24日37ジローの弟 強敵ハカイダー! ヒトデムラサキ
3月31日38ハカイダーがジローを殺す! 永野靖忠
4月7日39父の仇ジロー全国指名手配 アンコウブラウン(声:大宮悌二)
4月14日40危しジロー! 機能完全停止!! キリギリスグレイ(声:渡部猛) 北村秀敏
4月21日41壮絶ジロー空中分解! アカ地雷ガマ(声:増岡弘) 畠山豊彦
4月28日42変身不能!? ハカイダー大反逆! アカ地雷ガマ
白骨ムササビ(声:和久井節緒)
5月5日43ジローの最期かダーク全滅か!? 白骨ムササビ

映像ソフト化 編集

  • ビデオ(VHS、セル・レンタル共通)は傑作選として、7巻・20話分を収録したものが東映ビデオよりリリースされている。
  • 1993年12月17日LD-BOXが東映ビデオより発売された。
    • 1998年10月21日から1999年3月21日にかけて単品のLDが東映ビデオより発売された。全6巻の各2枚組で各巻8話(Vol.6のみ1枚・3話)収録。
  • 2004年12月10日DVD-BOXが東映ビデオより発売された。
    • 2008年4月21日から7月21日にかけて単品のDVDが東映ビデオより発売された。全4巻の各2枚組で各巻10話(Vol.3は11話、Vol.4は12話)収録。
    • 2008年7月21日発売の『石ノ森章太郎 生誕70周年 DVD-BOX』に第1話が収録されている。
    • ハワイでは、日本版とは異なる東映公認のDVD-BOXがJNプロダクションより発売されており、日本版にはない伴大介のインタビュー映像やカラオケ、設定資料やクイズなどが収録されている。単品のDVDも発売されており、全9巻で各巻5話(Vol.9のみ3話)収録。

コミカライズ 編集

詳細は人造人間キカイダー (漫画)を参照

関連項目 編集

劇場作品。キカイダーがモンゴルで、劇中の悪役「地獄拳師」と戦っていたという劇中設定で、写真のみ登場している。
敵役「バイオハンター・シルバ」のデザインは、キャラクターデザインを手がけた出渕裕がキカイダーの名敵役・ハカイダーを念頭に置いていたと語っている。
主役「メタルダー」は、デザインを含めキカイダーのオマージュと言われる。劇中に登場するライバルロボット「トップガンダー」は、ハカイダーのオマージュである。
渡邊亮徳の企画による、本作のキャラクター「ハカイダー」を主人公とした劇場映画。いわゆるスピンオフ物だが変身ヒーロー物の悪役キャラを主役にした珍しい映画である[13]
  • S.I.C.』シリーズ(1998年、バンダイ)
石ノ森章太郎作品を原型師独自の解釈で一新したフィギュア模型シリーズ。デザイナー・造形は竹谷隆之。VOL.1のキカイダーは石ノ森最晩年の時期であり、石ノ森自らが監修している。
バンダイの『S.I.C.』シリーズを元に模型雑誌で連載された小説。
1999年3月18日放送の番組内で、本作が紹介された際にキカイダーの主題歌ではなく、『ハカイダー』のテーマが流れ、水木一郎本人が「ハカイダーのテーマ」を熱唱した。
原作者の石ノ森章太郎没後に連載されたリメイク漫画。「エースネクスト」が休刊した後も「特撮エース」にて連載再開されている。また、2004年から2005年にはこの『02』の続編『イナズマンVSキカイダー』も特撮エースにて連載された。キャラクターデザインはMEIMUによる。
石森の原作漫画を基にしたOVAアニメーション。翌2001年にはその続編となる『キカイダー01 THE ANIMATION』が制作された。
本作の脚本家の1人である長坂秀佳が製作総指揮を務めたTVゲーム。主人公が「デン・ジ・エンド!」と叫ぶシーンがある。
トレーディングカードゲーム。「第2弾」として、本作のキカイダーとハカイダーを収録。
等身大のキカイダーの人形が設置されており、キカイダー誕生の場面が再現されている。
「今日の特集」で「人造人間キカイダー」が取り上げられたことがある。TV版での登場人物の人間関係があまりにも複雑すぎて時間内では説明しきれず、翌週に持ち越しとなった。
劇場作品。『キカイダー01』、『イナズマン』、『快傑ズバット』とともに登場。キカイダーが映像作品に登場するのは38年ぶりである。

脚注 編集

  1. 講談社 『テレビマガジン特別編集 ビジュアル全集 人造人間キカイダー』 ISBN 4-06-178406-4 より
  2. キカイダーのデザインは石ノ森自身も、そのデザインワークの中で「1、2位を争う傑作」と自負していて、『人造人間キカイダー』、『キカイダー01』以外の新しいキカイダーシリーズとしてキカイダー00(S.I.C.の「KIKAIDER00」として実体化されている)を主人公にした新作テレビドラマ『キカイダー00(仮)』の映像化企画を何度も東映に送っている。石ノ森の死後に映像化されたのは『燃えろ!!ロボコン』と「平成仮面ライダーシリーズ」のみで新しいキカイダーの実写作品はいまだにない。
  3. 『仮面ライダーオフィシャルファイルマガジン』NO5(講談社)
  4. 『日本ヒーローは世界を制す』(角川書店)
  5. 『変身ヒーロー大全集』(講談社)
  6. 続編『キカイダー01』で、ジローの兄としてイチローが登場したため、この設定には矛盾が生じている。
  7. 第40話でキリギリスグレイのスピーカーによって3000倍にパワーアップしたギルの笛の音を聞いて操られてしまったことがある。
  8. 『人造人間キカイダー 超人バロム・1 変身忍者嵐 3大テレビヒーローシークレットファイル』発行所:ミリオン出版(株)、発売元:(株)大洋図書
  9. 池田憲章高橋信之『ウルトラマン対仮面ライダー―メガヒーロー 光と影の神話』文藝春秋、1993年、237頁。ISBN 4-16-347170-7
  10. 大井競馬場でロケを行ったが、事前の了解を取らずにコース上で車やサイドマシーンを走らせてしまい、後でスタッフは管理者から大目玉を食らった。
  11. サソリブラウンが襲った研究所は、世田谷区岡本にあった「百窓」と呼ばれる建物である。立方体に円い窓が4面で合計100個あるために「百窓」と呼ばれ、その幾何学的で特徴的な特異な外観と、東宝砧撮影所円谷プロダクション(旧本社)、国際放映撮影所(現在の東京メディアシティ)などから近いために、『ウルトラセブン』(第12話のアジトとして)や快獣ブースカコメットさん等多くのドラマで使用された。なお、この「百窓」ビルは現在は取り壊され、現存しない。
  12. サブタイトルが「デンジエント」と誤表記されている。
  13. この映画以前に何度も映画やTVシリーズなどのハカイダー主演作品は企画されており、『キカイダー大全』に1981年のTVシリーズ企画用に石ノ森が描いたカラーイラストが掲載されているが、オリジナル版とかなり違うデザインをしていた。主な変更点は、鼻があること・唇があること・頭の中に脳ではなく電子頭脳が入っていること・ブーツがメタリック仕様になっていることなどである。

外部リンク 編集

テンプレート:前後番組

テンプレート:人造人間キカイダーen:Android Kikaider id:Android Kikaider it:Jinzō ningen Kikaider pt:Kikaider

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