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テンプレート:漫画イナズマン』は、『週刊少年サンデー』に連載された石森章太郎作の漫画、およびそれを原作として1973年(昭和48年)10月2日から1974年(昭和49年)3月26日までNET系で毎週火曜日19時30分から20時00分に全25話が放送された東映製作の特撮テレビ番組。また、それに登場する架空のヒーロー。

概要 編集

この作品は1972年の初頭に東映動画旗野義文(『サイボーグ009』などのプロデューサー)が考案した『ミュータントZ』が源流である。企画書では『仮面ライダー』のヒットによって巻き起こっていた当時の「変身ヒーローブーム」に対抗するため、アニメーションならではの自由な発想による超能力者の活躍が強調されていたが、アニメ化はされなかった。しかしこの企画書が当時の東映プロデューサー平山亨の目に止まり(平山によると、この時点で企画書題名は「パピヨン(フランス語で蝶)」だったという)、奇しくも実写ヒーロー番組として製作されることとなった。代理店として東映エージェンシーが参入し、NETでの放映が決定。原作漫画とキャラクターデザインは石森章太郎が担当した(石森は第11話で脚本と監督も担当している)。

この番組が放映された当時は超能力やUFOなどのオカルトものが一大ブームを起こしており、この作品にも随所にそれらの要素が盛り込まれている(主人公が超能力者、主人公に協力する「少年同盟」も超能力を持つ少年少女によって構成されている、など)。

主人公はサナギマンからイナズマンへの二段変身能力を持っているが、これはから蝶への羽化からイメージされたものである(この要素は『仮面ライダーカブト』にイメージソースとして受け継がれた)。イナズマンのデザインは蝶をモチーフとしているが、これは蝶と能力者をかけた言葉遊びからのアイデアである。

漫画版 編集

週刊少年サンデー』誌上にて、1973年34号から1974年38号まで連載。ちなみに1974年10号以降は「イナズマンシリーズ」、18号以降は「イナズマン超人戦記」へと改題されていた。同時期に少年サンデーコミックスで単行本化された際には、1974年17号掲載のエピソード(ギターを持った少年)で完結しており、翌週から開始された「イナズマン超人戦記」(1974年18 - 38号)は、1980年代に朝日ソノラマから発売されたサンワイドコミックスで、初の単行本化を果たした。

主人公の名前は渡五郎ではなく「風田サブロウ」となっている。

のちに、同じ世界観である前日談『人造人間キカイダー』のOVA作品『キカイダー01 THE ANIMATION』のDVD-BOXにて特別付録として本作の一編である「ギターを持った少年」が初映像化された。

ストーリー 編集

中学生・風田サブロウは、ある日外国人の少女リオンから自らが超能力者ミュータント)である事実を知らされる。彼女はサブロウが超能力者として覚醒するため、テレパシーで蝶の変態(卵からサナギ、そして成虫である蝶)を例えのイメージとして送った。サブロウはイメージをそのまま受け取り、イナズマンとして覚醒し、リオンら少年同盟らとともに、ミュータントでない人々(旧人類)を滅ぼそうとするバンバ率いる超能力者たちと戦う。

登場人物 編集

風田サブロウ / サナギマン / イナズマン
ケンカも勉強も一番の中学生。リオンとの出逢いによってイナズマンとして覚醒する。魚屋の息子(実は養子だった事実がのちに判明)。
覚醒前から無意識に超能力を使って、周囲や相手の思考を読んでいたため、ケンカや勉強は一番だった(超能力を使って、ケンカ相手の動きを読んだり、テストでカンニングをしていた)。自分が超能力者だと解ってからは、学校で超能力を使うのをやめたためにテストの成績が下がり、担任に怒鳴られたこともある。
戦いの中、生き別れていた実の母親との再会と死別、仲間の死など苦しい経験を積み重ねて成長していく。
サナギマンに変身する事なく一気にイナズマンへ変身したり、変身を使わず超能力のみで戦う場面も描かれている。
イナズマンのデザインはTVドラマ版とは大きく異なる。
ミヨッペ
サブロウの家の隣に住んでいる同級生。たびたびサブロウの超能力によるセクハラ被害に遭う。「イナズマン超人戦記」の開始エピソードにおける、爆弾テロの犠牲となって劇中から退場する。
リュウ子
ミヨッペの妹。通称「おリュウ」。姉と異なり超能力を持つ。犬の八五郎にまたがって行動。サブロウの魚屋付近で、爆弾テロに巻き込まれて退場。
八五郎
サブロウとテレパシーで会話する犬。ミヨッペの飼い犬。サブロウの魚屋付近で、爆弾テロに巻き込まれて退場。
揮大坊玲次郎
サブロウの仲間。寺の住職の息子。最初はサブロウを狙う刺客だったが、のちに和解。超能力の剣術「ESP剣法」を得意とする。褌を着用しており、普段は下駄を履いて行動する。
コング大王
サブロウの仲間。本名は作中では言明されず。最初はサブロウを狙う刺客だったが、のちに和解。超能力と怪力の持ち主。戦闘方法は怪力と超能力を生かした空手技。揮大坊と同じ高校に通っている。
リオン
少年同盟のメンバー。変身能力を持つ。
イライザ
少年同盟のメンバー。炎を操ることができる。
キム
少年同盟のメンバー。変身能力を持つ。終盤にも登場し、サブロウたちのテレポートの手助けをする。
サラー
少年同盟の盟主。TV版と異なり、やせ細った老人か仙人のような風貌をしている。最終回で弟のバンバとともに自爆する。
荒神鉄平
狼男のような能力を持つ男性。
荒神牙男
鉄平の息子であり、父親と同じ能力を持つ。能力覚醒のために、鉄平の殺人を自分のことのように夢で見ていた[1]
ルビィ
新人類帝国の刺客である少女。「イナズマン超人戦記」の開始エピソードにおける総統の命令で 時限爆弾を銜えた狂犬をサブロウの魚屋へと突入させ、サブロウの近親者を爆死退場させた。だが根は善人でもあり、自らの罪の意識との葛藤の末に、サブロウと和解。恋愛感情も芽生える。サラーによって変身能力を得るが、新人類帝国との戦闘においサブロウ達を救うために戦死してしまう。
クールな一面とは裏腹に純情であり、サブロウの裸を見てたびたび激しく動揺した(イナズマンなどのミュータントは変身後、その勢いで服が破れるため[2])。そのために自身は一度目は着用していたズボン、二度目は自身のパンツを裸になったサブロウに与えた。
オサム
新人類帝国の刺客である少年。動物を操る能力を持つ。ルビィの裏切りにより、一度はサブロウに倒されるが、その後ルビィの死を知らせに来たサブロウと再会。不意をつき、サブロウの意識を奪い捕獲に成功する。
総統
ルビィやオサムなど、新人類帝国側の少年たちを率いて日本政府に脅しをかけていた。「巨大化」と「超能力クローン」という技を持つ。
バンバ
旧人類を滅ぼし、ミュータントによる新人類帝国を築き上げようとしている超能力者。TV版と異なり、超能力を増幅する機械に接続されている。サラー同様にやせ細った老人か仙人のような風貌をしており、最終回でサラーの弟である事実が判明する。
ジロー
かつての過ちから一人孤独にさまよっている少年。その正体はかつて悪の組織ダーク、シャドウを壊滅させた人造人間キカイダー
新人類によって効果を増幅された「服従回路(イエッサー)」の判断によりサブロウを狙ったが、変身したイナズマンにより服従回路を破壊され、ついに呪縛から開放された[3]
本作では顔が透けて内部メカが見えるという演出があるが、キカイダーにはチェンジしない(少年サンデーに同時期連載されていたキカイダーの最終回では、「『ジローが可哀そう』と言ったファンの声に答えた形での救済的ゲスト出演である」と原作者の石森章太郎(当時)が語っている)。

異次元円盤人 編集

四次元空間に住む異次元の住人たち。超能力とは別な不思議な力を使う。

ドリップ
新人類帝国に捕らえられ洗脳され、リオンを狙う。
トリップ
ドリップの息子。父親を探しにきていたところでサブロウやミヨッペと出会う。

特撮版 編集

企画当初のネーミングは「電光イナヅ(ズ)マン」だった。

主役の「イナズマン」こと「渡五郎」役には、前年に『人造人間キカイダー』の主演を務めた伴大介を起用、伴はこの作品を機に、芸名を「伴直弥」と改名している。また「少年同盟[4]」のメンバーである超能力少女のヒロイン「大木サトコ」役に、野球根性ドラマ『ガッツジュン』のマドンナ・村丘美代子役で出演した桜井マリ、サトコの弟である「少年同盟」メンバーの「大木カツミ」役に『仮面ライダー』で「少年ライダー隊」隊員・ミツル役で出演していた山田芳一、また五郎の盟友「丸目豪作」役には、東映映画『新網走番外地 大森林の決斗』(降旗康男監督、1970年)で準主役デビューした北村晃一が起用された。

脚本陣では、東映で『仮面ライダー』、『仮面ライダーV3』のメインライターを務めた伊上勝が初期の番組フォーマットを担当。同じく仮面ライダーシリーズを担当した島田真之に、『マジンガーZ』の高久進らベテラン陣が起用され、「超能力」を主題とした怪奇アクション路線が採られた。演出面では『仮面ライダーV3』(毎日放送)から田口勝彦監督らをスライド起用するなど強力な布陣が揃えられ、音楽は『人造人間キカイダー』、『マジンガーZ』、『キカイダー01』など、これも東映作品で実績のある渡辺宙明が起用された。

また番組制作スタジオである「東映生田スタジオ」では、本作に当たってミニチュア特撮面が強化された。美術担当のエキス・プロダクションの八木功をチーフとする特撮班が組まれ、「ライジンゴー」の空中戦や、大規模な崩壊特撮が盛り込まれて、従来の生田作品からの更なるスケールアップが図られている。

劇中アクションは、『仮面ライダー』などを担当した大野剣友会。「イナズマン」、「サナギマン」を演じたのはこの大野剣友会のベテラン中村文弥。「肩のプロテクターが邪魔で動きにくかったが、色合いも明るく、スマートに演じるよう心がけた」と語っている。番組アトラクションショーも日本各地で行われたが、これは大野剣友会は担当していないという。

「イナズマン」をはじめとするキャラクター造形は、エキス・プロダクションによる。イナズマンの肩のプロテクターはラテックス製で、当初石森のデザイン画に合わせて胸と一体型だったが、腕がうまく上がらず、アクションに不向きだった。このため肩の部分で分離したものに修正されたものとなったが、それでも中村が言うように、かなり動きづらいものだった。また手袋とブーツには、原デザインと同じく蝶の羽根のような黄色い模様があったが、放映版では省かれている。イナズマンの触角は、アップ用のFRP製のものが第1話の撮影で早くも折れてしまい(テープで補修したものが劇中に写っている)、アクションシーンではラテックス製になっている。「サナギマン」の衣装は、放映開始前の雑誌撮影会の際に、エキスプロのほうでうっかり背中の着脱用のファスナーを着け忘れたまま納品してしまい、現場で着脱部を針金で縛ってしのいだ(演じたのは中村文弥)という。サナギマンのスーツは第5話以降、より動きやすいものに変更されている。

メインライターを務めた伊上は第9話を最後に『仮面ライダーX』の企画参加のため降板。以後、高久、島田に加え第17話からは、円谷プロの「ウルトラシリーズ」や『ロボット刑事』を執筆していた上原正三が参入。それまでの怪奇キャラクター路線から、五郎と相棒の丸目豪作の2人を中心に据えた、人間ドラマを中心としたエピソードが増え、中盤以降はさらに人物関係が整理されて、「少年同盟」も、サトコとカツミの姉弟、カオル以外のメンバーは登場しなくなっている。

こうしてさまざまな新機軸を盛り込んだ『イナズマン』だったが、『変身ブーム』は沈静化しつつあり、同時期に制作されていた『仮面ライダーV3』と肩を並べるほどの人気には至らなかった。この情勢のなか、テンプレート:和暦初頭に石油ショックが発生。諸物価を高騰させ、日本の産業界は壊滅的な打撃を受けた。東映生田スタジオもその例外ではなく、1月以降、特撮資材費の高騰は番組一本当たり、毎回50万円(当時)の赤字を出し続けることとなり、東映生田スタジオに深刻な営業不振を及ぼした。

これを受け、制作陣は『イナズマン』を第3クール(第26話)から番組をリニューアルすることを決定。キャスト、敵組織など設定一切を一新し、タイトルを『イナズマンF』と改めることとなった。第24話からは、これに先駆けて新しい敵組織が登場し、渡五郎の服装、変転した際のバンク、イナズマンのマフラーの色なども変更されている。

番組人気はいま一つだった『イナズマン』であるが、本作に登場する「ライジンゴー」は、スポンサー「ポピー」の「ポピニカシリーズ」から合金玩具が発売され、大ヒットとなった。

なお『イナズマンF』開始は2週間後の1974年4月9日だが、前週の4月2日はNET開局15周年記念特別番組『おめでとう…新入学だよ!ドリフターズ』(19:30 - 20:55)を放送してつなげた。

ストーリー(特撮版) 編集

東南大学三年生・渡五郎(わたり ごろう)はある夜、友人の丸目豪作とともに女性と少年が怪人に襲われる現場を目撃する。彼らはそこに助けに入るが怪人に攻撃を受け、五郎は海中に落下してしまう。

気がついた五郎は別の場所におり、その前には先ほどの女性と少年、数人の少年少女たちがいた。彼らは事情を説明する。「自分たちは超能力を持つミュータント・少年同盟であり、帝王バンバの率いる新人類帝国と戦っている」と。

さらに五郎の前に少年同盟の盟主・キャプテンサラーが現れる。彼は「五郎も超能力を持っている」と言い、それを覚醒させる。五郎の超能力とは2つのスタイルを持つ超人への変身能力、すなわちサナギマン、そしてイナズマンに2段変身するというものだった。五郎は少年同盟と共に新人類帝国のミュータンロボットと戦うことを決意する。

第24話・第25話(最終話)は新人類帝国との最終決戦であると同時に新たな敵・デスパー軍団の登場編でもあり、物語はそのまま『イナズマンF』へと続く。

サナギマン / イナズマン 編集

サナギマン
渡五郎が「ゴーリキショーライ[5]!」のコールで変身した超人。まるで岩石のような風体で防御力に優れた肉体と怪力を武器にしているが、実際は「サナギ」というその名の通り、五郎の持つ能力ではいきなりイナズマンには変身できないため、そのエネルギーを充填するための中間形態でしかない。そのため、劇中ではファントム兵士たちに殴られ、よろめきながら耐えるという演出が主となってしまい、弱さが目立ってしまった。また五郎がサナギマンに変身する前にダメージを受け過ぎた場合、変身後もエネルギーが集中できなくなってイナズマンに変転できなくなるため、敵の攻撃に耐えてそのエネルギーを吸収しなければならない。なお、全神経を集中させることで遠見が可能。変転プロセスは二度変更されている。
イナズマン
ベルトのゲージが頂点に達してエネルギー充填を完了したサナギマンが「チョーリキショーライ(超力招来)!」のコールで二段変身した超人。サナギマンの表皮が弾け飛んでイナズマンの姿になる。青を基調としたデザインで、原作漫画よりもヒーロー然としている。念動力や瞬間移動、逆転チェスト、稲妻拳法など、後述する多彩な超能力や電撃技、拳法風の技を駆使して戦う。「チェスト!」が技を使用する際の掛け声。黄色(第24話からオレンジ色になる)のマフラーは伸縮や変形が可能。
原作にない、アーマー状に覆われている肩周辺のデザインには相当苦労したらしく、残されているイナズマンの写真には、NGとなったものが多数ある。

イナズマンの超能力・技と専用マシン 編集

超力稲妻落とし
最も多用された必殺技。両腕から赤色光線を連射しながら敵の頭上に急降下し、そのままパンチを決める。最後のパンチは編集で省略されることもある。この名称で呼ばれるのは第7話からで、それまでは稲妻拳法電撃と呼称されていた。しかも第1話では、敵を掴んで一緒にジャンプしてパンチを放つだけの技だった。
逆転チェスト
超能力で敵の技を浴びせ返す。破壊された建物の復元も可能。応用技として、イツツバンバラの強力火柱攻めをはね返した強力火柱返し、第2話で決壊したダムを元に戻した復元稲妻返し、カゼバンバラの風竜巻をはね返して竜巻内の真空で捕らえた稲妻真空返しがある。
マフラー稲妻走り
マフラーを巨大な鎖に変える。倒壊するビルを引っ張って支えるほどの強度を持つ。普通の大きさの鎖に変えたり、マフラーを伸縮させて敵を縛ることも可能。
透視能力
隠れた敵や異空間に閉じ込められた人間を発見する能力。
念動力
ミュータントのみが使える空間移動の術。スナバンバラの砂地獄に閉じ込められた少年を助けた。
テレパシー
念力で遠くの超能力者と会話する。体内のエネルギーを多く使用する。
瞬間移動
精神力により瞬間移動する。初使用は第11話。
稲妻拳法車返し
敵の頭を背後から両足で挟み、そのまま回転して投げ飛ばす必殺技。ミズバンバラを倒した。
稲妻拳法回転蹴り
敵と平行してジャンプし、バック宙返りをしてから飛び蹴りを放つ必殺技。ホネバンバラを倒した。
念力パンチ、念力キック、念力チョップ
念力を込めた打撃攻撃で、遠くの敵や隠れた敵を攻撃する。第11話でファントム兵士たちに使用。
空中三段蹴り
第15話で使用。空中で前転からのキックを3回繰り返し、ファントム兵士3体を1人ずつ倒した。
逆転稲妻返し
指先から赤い稲妻を放出する必殺技。ユキバンバラを倒した。
大車輪稲妻放射
NG版変身ベルトの風車を回転させて稲妻を放射する。カビ津波と化したカビバンバラを怯ませた。
マフラー稲妻カッター
マフラーを投げ、途中で稲妻形のカッターに変形させて敵にぶつける。カビバンバラにダメージを与えた。
稲妻影崩し
目を光らせ、カゲバンバラの杖を破壊し、さらにカゲバンバラの命の源である黒い太陽を粉砕した技。
稲妻光線返し
腕をL字型に組んで電撃を放つ。カガミバンバラの作り出した鏡に向けて発射、次々と反射させて敵に命中させて倒した。
稲妻タイフーン
第1話で使用。触覚を回転させて風を起こし、火災を消し止めた。
稲妻真空チェスト
指を突き出して狙った範囲を真空にし、対象を爆発させる。ヒャクメバンバラの巨大要塞・マンモスアイを内部から爆破した。
マフラーコンクリート固め
マフラーを噴射口に変形させてコンクリートを射出し、敵を固める。体を砂に変えられるスナバンバラに使用。
稲妻マフラー水走り
マフラーを相手の頭上に伸ばし、そこからシャワーを浴びせる。水が弱点のツチバンバラに大ダメージを与えた。
念力飛ばし
念力で敵を他の場所に転送する。第11話でファントム兵士たちに使用。
地割れチェスト
地割れを起こす。アブラバンバラの地を走る炎攻撃を止めるために使用。
稲妻旋風返し
風を巻き起こして相手を吹き飛ばす。第23話で使用。
別の世界に引きずり込む能力
周囲に一時的に異次元を作り出す。ガスバンバラに使用。
第15話でタカシ少年を狙うファントム兵士たちに対し、タカシの幻を見せて惑わせた。
ゼーバー・イナズマショック
最終話で牢に閉じ込められたイナズマンが脱出のために自らの体のパーツで作った装置・ゼーバーを使ってバンバを倒した必殺技。『イナズマンF』の「ゼーバー・イナズマンフラッシュ」と同じ技だが、この作品ではこの名称で呼ばれた。『イナズマンF』の第1話で同じシーンが流れる際には「ゼーバー・イナズマンフラッシュ」に吹き替えられている。
ライジンゴー
少年同盟の指導者キャプテン・サラーが五郎にプレゼントした万能戦闘車。赤と黄色に塗られた派手なデザインをしている。ボンネットは口のように開閉し、噛み付き攻撃が可能なほか、内部から四連装ミサイルやネットを発射する。下顎のライジングフィンガーによる挟み込み攻撃も可能。後部からは煙幕を発射する。イナズマンに呼ばれればいかなる場所へでも飛来し、自動車形態からマッハ3で飛行する飛行形態に変形して新人類帝国の戦闘機を次々と打ち落とす。
ポピーから発売されたライジンゴーの玩具(ポピニカ)は大ヒットし、次作の『イナズマンF』にも引き続き登場した。

登場人物(特撮版) 編集

少年同盟とその協力者 編集

少年同盟とは、キャプテン・サラーが悪の超能力者を倒すために作り上げた秘密組織である。メンバーは全員超能力を持った少年少女であり、オレンジ色の制服(石ノ森作品(サイボーグ009など)に見られる卵形の飾りが特徴)とヘルメットを着用しており、「スパーッ!」の叫びとともに空高くジャンプして一回転することにより、私服姿から少年同盟の制服姿に瞬時に変わる。その基地は地下深くに作られており、電話ボックスが入口。同盟員はエレクトロボーイ号(ナショナル自転車のエレクトロボーイZブラックマスク。‘70~‘75頃流行したフラッシャー付き自転車の代表格。番組中CFも流れた)という自転車でパトロールを行い、ピットと呼ばれる型のアイテムを通信機や投擲武器として使用する。

渡五郎 / イナズマン / サナギマン
東南大学の三年生。大学ではサッカー部に所属している。新人類帝国のイツツバンバラに襲われていた大木サトコとカツミを助けたことから自分が超能力者である事実を知り、少年同盟に加盟。人類の自由のために新人類帝国と戦うことを決意する。
性格は明るく、正義感が強いが、感情的になり易い一面もあり、生き別れの母・シノブ(正体はバラバンバラ)が帝王バンバに殺された際には普段の冷静さを失い、怒り任せに単身で基地へ突っ込み、窮地に陥った。
変身前でも超能力が使え、人間の数十倍の聴力を持つ。腕が折れるなどの重傷を負うと変身できなくなる。五郎の少年同盟員としての制服は藍色を基調としているが、着ていたのは番組の前半のみであった。
第24話で警察の現場検証に参加する描写があるが、少年同盟員ゆえに捜査への介入が許可されるのか否か、詳細は不明。[6]
丸目豪作
五郎の学友で、頭を丸め、ヒゲを生やしている。ドジな三枚目だが正義感の強い九州男児。超能力は持っていないが武道に長けており、その怪力で五郎や少年同盟とともに戦う。あまり金銭には縁がないらしく、引越しの手伝いや港での肉体労働などのアルバイトをしている。少年同盟のメンバーが登場しないエピソード(第15、16、18、20、22話)では五郎とのコンビによる活躍が強調された(第12話には未登場)。
大木サトコ
少年同盟の一員。ファントム兵士にも臆する事無く立ち向かう勇敢な女性(第12、15、16、17、18、20、22話には未登場。第15話では出演していないにもかかわらずオープニングに名前がクレジットされていた。大木カツミ、富川カオルも同様)。
大木カツミ
サトコの弟で少年同盟の一員。五郎を兄のように慕っているが、無茶な行動をすることも多い。なお、豪作、サトコ、カツミの三人は25話を最後に番組から姿を消す(第12、15、16、18、20、22話には未登場)。
富川カオル
少年同盟の一員。地下基地の通信係で、出番は少ない(第12、15、16、18、20、22話には未登場)。
キャプテンサラー
少年同盟の指導者。五郎の資質を見抜き、彼の超能力を目覚めさせた。第1話に登場したのみで、以降は姿を見せなかった。

新人類帝国ファントム軍団 編集

帝王バンバが結成した悪の超能力者集団。超能力者(ミュータント)を新たな人類であると考え、超能力を持たない旧人類を滅ぼし、悪の心を持ったミュータントのみの世界を作り上げようとしている。帝王バンバと彼に盲目的に従うミュータンロボット、ファントム兵士によって構成された冷酷非情の独裁組織だったが、新組織デスパー軍団の策謀によって組織は内部分裂を起こし、孤立無援となったバンバはイナズマンに倒されファントム軍団は壊滅した。

帝王バンバ
ファントム軍団の頂点に立つ帝王。イナズマンをも上回る力を持つ大超能力者。三本の指を持つ右腕を振るい、配下に命令を下す。旧人類の抹殺を第一目的としており、ミュータンロボットの超能力や戦闘機を使った大規模なテロを行なう。新組織デスパー軍団によって組織が崩壊寸前となったために仇敵である五郎と手を組もうとするが、五郎に拒絶され、帝国も完全に崩壊。最後の大計画として日本列島の沈没を企み、火炎ファイターに変身してイナズマンに決戦を挑むが敗北。海上で巨大化した末に大爆発して滅び去った。
ウデスパーの発言から元はデスパー軍団の部隊長だったらしい。
渡シノブ
第11話に登場。15年前に生き別れになった渡五郎の母親にして、帝王バンバ直属のミュータンロボット・バラバンバラの正体。バンバに洗脳されており、息子の五郎を新人類帝国の仲間にしようとする。イナズマンとの戦いによって人の心を取り戻すが、五郎を狙ったバンバの光線を代わりに浴びて息絶えた。
ミュータンロボット(ミュータンロボ)
新人類帝国が送り込む怪人たち。悪の心を持った超能力者を改造して生み出される、一種のサイボーグ。従来の怪人以上に異形の姿をしており、風や霧など自然現象や化学物質、抽象的なものをモチーフにした怪人が多い。各回のオープニングの冒頭(アバンタイトル)にも登場する。
ファントム兵士
ミュータンロボットの活動を支援する兵士。ヘルメット(序盤は白であるが、途中から色が茶に変更)を被り、ガスマスクのような仮面を着けている。仮面の下には緑色のゼリー状の物質が隠されており、血の色も緑色である。武器は右腕の巨大な手鉤(カギ爪)とライフル銃。第5話からは爪が小さくなり、ヘルメットや服も変更された。また「イヤー」との声を発していたが、第24話以降はデスパー兵士と同じ声に変更されている。第25話でウデスパーによって「服従か死か」の選択を迫られた際、大半の兵士がデスパー軍団に寝返った(寝返った際にファントム軍団の証であるベルトや紋章は捨てている)。
ブラックブラザー
第25話のみ登場したバンバの護衛隊。3人組で行動し、黒いライダースーツをまとっている。

デスパー軍団 編集

第24話から登場した新組織。ファントム軍団にクーデターを仕掛け壊滅寸前に追いやった。帝王バンバがイナズマンに敗れファントム軍団が壊滅した直後、本格的に活動を開始した。詳細は『イナズマンF』を参照。

ウデスパー
第24、25話に登場したデスパー軍団の幹部。ロケット砲やマシンガンを武器に単身でファントム軍団の牙城を切り崩した。
ガイゼル総統
第25話に登場。バンバの死後、姿を現したデスパー軍団の首領。
デスパー兵士
第24、25話に登場したウデスパーの活動を支援する兵士。バンバを裏切ったファントム兵士が、ヘルメット・肩・胸・ベルトにつけられたファントム軍団の紋章を捨て去り、代わりにデスパー軍団の紋章を身に着けたもの。『イナズマンF』に登場するデスパー兵士はさらに改造されているため、本作に登場するものとは容姿が異なる。

キャスト 編集

スタッフ 編集

音楽 編集

本作のBGMおよび主題歌・挿入歌・イメージソングは全て渡辺宙明が作・編曲した。一部、『人造人間キカイダー』から流用されたBGMもある。

主題歌 編集

オープニングテーマ「戦えイナズマン」
作詞:石森章太郎 / 作曲・編曲:渡辺宙明 / 歌:子門真人コロムビアゆりかご会
  • カラオケおよび歌手は同一だが、歌詞の一部が異なり、雄叫びが入っていないNG版が存在し、『飛び出す立体映画 イナズマン』の予告編で使用された。このNG版は、後年発売されたCDに収録されている。
エンディングテーマ「チェスト!チェスト!イナズマン[8]
作詞:八手三郎 / 作曲・編曲:渡辺宙明 / 歌:水木一郎

挿入歌・イメージソング 編集

次作『イナズマンF』の主題歌・挿入歌LPに収録

「五郎の歌」
作詞:石森章太郎 / 作曲・編曲:渡辺宙明 / 歌:水木一郎
「少年同盟隊歌」
作詞:高久進 / 作曲・編曲:渡辺宙明 / 歌:コロムビアゆりかご会
「帝王バンバのテーマ」
作詞:加戸木貢 / 作曲・編曲:渡辺宙明 / 歌:こおろぎ'73

放送リスト 編集

放送日話数サブタイトル登場怪人脚本監督
1973年
10月2日
1恐怖の新人類 バンバの挑戦!!
  • イツツバンバラ(人間態:三島耕、声:清川元夢
伊上勝 田口勝彦
10月9日2危うし少年同盟! 呪いの水!! 山田稔
10月16日3黒い死を呼ぶファントム地獄! 高久進 田口勝彦
10月23日4日本列島大爆発!! 島田真之 山田稔
10月30日5大空中戦! かみつくライジンゴー!!
  • カゼバンバラ(人間態:守屋俊志、声:増岡弘
高久進
11月6日6怪奇ユキバンバラ! 新人類手術!!
  • ユキバンバラ(人間態・声:槙麻耶)
伊上勝
11月13日7奇怪! 空飛ぶ一ツ目!? 塚田正煕
11月20日8恐怖砂あらし! 大空港沈没!! 高久進
11月27日9光るカビは夜歩く!! 伊上勝 田口勝彦
12月4日10人喰いガスの恐怖!!
  • ガスバンバラ(声:依田英助)
島田真之
12月11日11バラバンバラはイナズマンの母 石森章太郎
島田真之
石森章太郎
12月18日12母の仇バンバ対イナズマン
  • アクマバンバラ(人間態:灰地順、声:増岡弘)
島田真之 山田稔
12月25日13傷ついたイナズマン
  • アブラバンバラ(声:渡部猛)
高久進 塚田正煕
1974年
1月1日
14怒りのライジンゴー 大空中戦!! 山田稔
1月8日15影をくわれたお母さん 島田真之 塚田正煕
1月15日16約束に向って走れ! 高久進
1月22日17謎の対決! ふたりの渡五郎!!
  • シャシンバンバラ(声:細井雅男)
上原正三
1月29日18友情のイナズマ落し!!
  • ドクバンバラ(声:町田幸夫)
高久進 山田稔
2月5日19謎の殺人ボクサー ミラーX?
  • カガミバンバラ(声:和久井節緒)
上原正三
2月19日20星円盤を追え! ライジンゴー!!
  • ホシバンバラ(声:増岡弘)
曽田博久 塚田正煕
2月26日21渡五郎 イナズマン死す!?
  • タケバンバラ(人間態:大原福美、声:岩名雅記)
上原正三
3月5日22歩く土人形 恐怖の大地割れ!!
  • ツチバンバラ(声:依田英助)
島田真之 山田稔
3月12日23呪いのえのぐが人を溶かす
  • エノグバンバラ[9](声:丸山詠二)
平山公夫
3月19日24謎のロボット戦士?
  • イシバンバラ(声:青森伸
  • ウデスパー
上原正三 塚田正煕
3月26日25壮烈! 帝王バンバの最期!!
  • 火炎ファイター(声:飯塚昭三)
  • ウデスパー

劇場版 編集

飛び出す立体映画 イナズマン(1974年3月16日公開)
監督:山田稔 脚本:高久進
登場怪人:ミサイルデスパー(声:岩名雅記)、火炎ファイター(声:飯塚昭三)、イシバンバラ(声:依田英助)、再生ミュータンロボ軍団
東映まんがまつりの一編として上映。

アナグリフ方式の立体画面がインサートされている立体映画。ファントム軍団の崩壊からデスパー軍団の台頭までをテレビ版とは違うストーリーで映像化している。劇場版の公開は第24・25話の放送日より数日早いため、イシバンバラと火炎ファイターは劇場版が初登場となる。また、主役の五郎以外のレギュラーは一切登場しない。さらにTV版におけるウデスパー(未登場)と同ポジションのキャラクターとしてミサイルデスパーが登場する。

東映製作のヒーロー立体映画は、1969年7月上映の『飛び出す冒険映画 赤影』、1973年3月上映の『飛び出す人造人間キカイダー』に次いで3作目だが、オイルショックによる物価騰貴によって機材が高価になってしまい、本作をもって中断。2009年8月8日公開の『侍戦隊シンケンジャー 銀幕版 天下分け目の戦』まで35年間制作されていなかった。

公開当時の映画宣伝ポスターや、映画館のロビーカードは撮影会やテレビ本編のスチールのみで、映画の本編スチールは使用されていない。

2007年12月7日に発売された『東映特撮ヒーロー THE MOVIE BOX』に収録されている。

なお東映チャンネルで放送した際には、冒頭に断り書きを付け、立体画面はモノクロ処理された(他のヒーロー立体映画も同じ)。

映像ソフト化 編集

関連作品 編集

  • 漫画版では「ギターを持った少年」でキカイダーが登場。同話はOVA『キカイダー01 THE ANIMATION』の続編としてアニメ化(DVD-BOXのみの特典映像)、さらに漫画『キカイダー02』の続編『イナズマンVSキカイダー』として漫画化されている(ただし、いずれも結末が異なる)。
  • フィンガー5の大冒険』(映画) 1974年の夏の東映まんがまつりの一編。監督・石森章太郎の一家4人(子供の一人が、少年同盟のコスチュームを着ている)と、仮面ライダーV3が特別出演している。
  • 仮面ライダーストロンガー』では第5話において小学校でフットボールをしているシーンがあり、子供たちは金色に塗り替えられた少年同盟のヘルメットをかぶってフットボールをしている。
  • 石森には『朝日小学生新聞』に1967年4月から1年間掲載された「少年同盟」という作品(のちに虫コミックスや双葉文庫に収録)があり、その主人公の名前が「風田三郎」であるが、「イナズマン」と直接の関係はない。

『人造人間キカイダー』との関係 編集

漫画版では、世界観のつながりがあるのか、キカイダーことジローが登場しており、作者の中でも『人造人間キカイダー』の終焉を描くための登場としている。なお、この登場回の『ギターを持った少年』は、のちに、『キカイダー01 THE ANIMATION』としてOVAアニメ化、『キカイダー02』の続編『イナズマンVSキカイダー』としてリメイク漫画化されている。

特撮版でのつながりは、石森章太郎(原作者)や伴大介(主演)などのスタッフ・キャストの一部が同じであるだけで、競演などはみられないが、『飛び出す冒険映画 赤影』『飛び出す人造人間キカイダー』の流れを汲む東映製作のヒーロー立体映画として、『飛び出す立体映画 イナズマン』が制作されている。

2009年12月発売の「レンジャーズストライク クロスギャザー」の第3弾に、第2弾の『人造人間キカイダー』に続いて、本作のイナズマンとサナギマンが収録。

オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』(映画)
人造人間キカイダー』、『キカイダー01』、『快傑ズバット』とともにイナズマンも登場。

脚注 編集

  1. 同じ能力を持つ他人の犯行を夢に見るという演出は『真・仮面ライダー 序章』にも見られる。
  2. リオンなどは変身しても服は破れないが、服は変化しないので外している。
  3. しかし、逆に人間と同じ「善と悪を備えた心」を失ったとも解釈できるためか、のちに彼が登場したエピソードをベースとしたOVAでは服従回路を破壊せずに、洗脳を解かれている。
  4. 『仮面ライダー』の、「少年仮面ライダー隊」設定の成功を意識して作られた。
  5. 強力招来剛力招来の二説がある。前者は次作『イナズマンF』の主題歌『イナズマンアクション』の歌詞(作詞は原作者の石森章太郎)に用いられている。
  6. 続編『イナズマンF』でも同様の描写が何度か登場するが、ICPO捜査官である荒井誠とともに立ち会うことが多いため、この疑問は一応クリアできるように描かれている。
  7. テンプレート:Cite book
  8. 番組でのクレジット表記は「チェスト!チェスト!イナマン」だった。
  9. OPでの表記は「えのぐバンバラ」。この表記を採用した関連書籍も存在する。

参考文献編集

  • 『変身ヒーロー大全集』(講談社)
  • 『イナズマン大全』(双葉社)
  • 『仮面ライダーオフィシャルファイルマガジンNO.5』(講談社)
  • 『ヒーローと怪獣を創った男たち』(辰巳出版)
  • 『大野剣友会列伝』(風塵社)

関連事項 編集

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